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医療サイドへの 小さな提案  


「乳がんの港」の中で、このページだけは主に医療サイドに向けて発信しています。
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  より意味のある告知のために。 
 

がん告知。
そのショッキングな戦闘開始のゴングが鳴らされた時、乳がんについてまだ何も知らなかった私は、丸裸でリングの上に放りだされてしまったような心細さで一杯でした。
医師の方針によって告知のし方はかなりの違いがあるようですが、私と同じような心境だった人は、とても多いのではないかと思います。

患者本人が、がんという敵の存在を知り闘病を始めるために、告知は必ず必要です。
でも、
”敵と闘って勝つための告知”であるはずなのに、体をはって闘わねばならない患者にマウスピースもグローブも渡さず、「さぁ、あなたが闘う番ですよ!」とゴングだけを鳴らしていきなりリングに送り出してしまう。
例えは極端ですが、それに近い告知がまだまだ非常に多いのが、日本の医療現場の現状ではないでしょうか?

闘病を始める
患者にとって、武器になるもの
それは、がんという敵に立ち向かうための
知識であり、病状を把握した上で持てる勝算と前向きな闘志であり、そして何より、患者の状態をしっかりと説明しながら勝つための戦略を練り一緒に闘っていってくれる医師という信頼できる味方(上の例えで言うなら、セコンドですね。)の存在です。
ですが現実的にはそういうしっかりしたインフォームド・コンセント
(*注1)やメンタル面へのサポートが、闘病期間中、患者が最も大きな打撃を受ける告知の際に一番欠けているような気がします。

ただ、あわただしいことこの上ない大病院の毎日の中では、一人ひとりの告知の時間やメンタルケアに多くを費やすことができない事情も容易に想像できます。
また患者の側も、がんであると知っただけですでにパニックを起こしそうなその時に、一度に色々な情報を与えられても、全てを冷静に理解し覚えていられる人の方が少ないと思います。

それならば・・と、一患者の立場から思う一つの提案なのですが、せめてもの対策として病院側は告知をする際、患者が家に帰って落ち着いてから改めて目を通すことができる”闘病を始めるためのしおり”のようなミニマニュアルを配付してはいかがでしょうか。それだけのことでも、ある程度は現状のフォローになるのではないかと私は考えています。(ただしそれはもちろん、できる限りのインフォームド・コンセントをきちんと実施していただいた上で、”それに加えて”ミニマニュアルを配付するという意味です。また、すでにそういったものを配付しておられる病院もあるそうです。)
それは、入院するために必要な物などが書いてある事務的なパンフレットとは全く別のもので、具体的にどういうものであるかを簡単に提案してみると・・、

* 告知のショックから患者をサポートする、メンタルケアの一貫としての役割を担うもの。
* り患したがんについて、最低限の基礎知識が得られるもの。
* 闘病に当たって知るべきことや、選択すべきポイントをアドバイスしてあるもの。
* 若い人からお年寄りまで、誰にとってもわかりやすくて手軽なもの

といったものであると良いのではないかと思います。
また、そのミニマニュアルの最後の見開き2ページは、患者のための簡易カルテ欄&空白のメモ欄にしておき、告知をする際、医師がそのスペースに患者の病状等を書き込みながら説明し、その後で手渡してもらえれば、いわば
その患者専用のミニマニュアルができあがります。またそのメモ欄を、患者が医師への質問を書きとめておくのに利用してもいいでしょう。
さらに、患者が持ち帰ったその
ミニマニュアルをご主人やご両親にも読んでもらうことで家族も同じ情報を共有し、患者と一緒に闘病のスタートを切ってもらえればベターです。

そこで、自分の力不足もわきまえずかなり恐れ多いことですが、私はこのサイトの中で伝えたかった内容を極力コンパクトにまとめて、そういうミニマニュアルの叩き台となるもの(乳がん編)を試作してみました。それが、次ページからの「乳がんと告げられたあなたへ」(闘病を始めるためのしおり)です。
我が家では、当時すでに70才になろうとしていた母が乳がんをり患した約4年後に、私も同じ病気を発症しました。自分自身が一通りの闘病を体験し、ほぼ元通りの生活に復帰できた頃、「もしも今、告知を受けた当時の母や自分に会うことができたら、こんなことを言ってあげたい、あんなことを教えてあげたい・・」と思うことが色々ありましたので、「乳がんと告げられたあなたへ」の中にはそういう内容を盛り込んでみました。

ご自分のパソコンを持ちネットサーフィンされているような方の多くは、乳がんについて様々な文献を読んで勉強したり、ネットから情報を集め自力で理論武装することも得意でしょう。でも一方では、本を読むことや、必要な情報を収集すること自体にがてな患者も一杯います。
ですから
「乳がんと告げられたあなたへ」は、私個人が発信するネット上の1コーナーとしてではなく、あくまでも不特定多数の患者に病院から配付される印刷物として試作してみました

乳がんの治療についてもメンタルケアについても、全くのど素人である私が試作したこのミニマニュアルは、叩き台であるにしろ大変つたなく、不適切な表現もあるかもしれません。そんなものであっても、これをネット上でご覧になり、いくばくかでも気持ちが軽くなったという方がいらっしゃったとしたら、それは私にとってこの上なくうれしいことです!
また、病院関係者の方々が患者さんのためにコピーされたり、これをヒントにより良いものを創ってくださる等々、なんらかの形でご活用いただけることがあったとしたら、それも非常にうれしく光栄なことです。
ですが・・、業者の方が営利目的で利用されることだけは、どうかご遠慮くださいね。
(それほどのものじゃなくて、こんな注意書き全然必要ないって気もしますが・・・笑)




医師と患者も人と人。
それも、とても大切な情報を交わし合い、闘病の間ずっと協力し合っていかねばならない人と人です。
情に流されず常に冷静であることは、医療サイドとしてとても大切なことでしょう。
でも所詮は人と人であるのに、そこに無機質で事務的な交流しかないとしたら
それはどこか不自然な人間関係で、強い信頼関係は育っていかないのではないでしょうか?
当たり前の人間らしい思いやりや、あたたかな血の通ったコミュニケーションがあってこそ、
本物のインフォームド・コンセントが実現できるのではないでしょうか? 

メンタルケア、インフォームド・コンセント、セカンド・オピニオン
(*注2)
等への考え方や対応は、病院&医師によってかなりの落差があります。
  全国どこの病院を訪れても、誠意ある丁寧なインフォームド・コンセントが
当然のこととして実施されているようであって欲しい。
それは多くの患者の願いです。



                

**** この言葉に馴染みのない方への注釈です。 ****

*注1・・「インフォームド・コンセント」
(Informed consent) 
病状についてよく理解できるよう、医師が患者に充分な情報を丁寧に与えていくことで
患者の意思を反映させながら、患者が心から納得し同意できる治療を行うことです。

    
*注2・・「セカンド・オピニオン」
(Second opinion)
     自分の病気やその治療法についてより多くの情報を得るために
主治医とは別の医師の診断を受け、その見解を求めることです。


 

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