全年齢小説本「すばると月と機動兵器(上)」
描きおろし挿絵(フルカラー版)より

ヒロインの葛城すばる(高2)です。
30年前にこの小説を書くのに際して、かなりの時間をかけて、練りに練って創り上げたキャラクターで、初恋レベルに思い入れのある女の子です。
小柄、丸顔、ショートヘアー、ややロリ体型、運動神経抜群、元気で快活、正義感が強くて面倒見がよい、負けず嫌いで無鉄砲・・・そんな「かわいらしさ」と「イケメンさ」を兼ね備えた、ヒロインの一つの理想型として生み出しました。
思えば、小説を執筆した当初は画力は全然だったので、彼女を自力で描けるくらい画力が上がれば、この話を本にして世に出そう、と、思っていたようなところがあります。
30年かかりましたが、とうとうその日が・・・カツオの大好きなすばるを、みなさんにご紹介できる日がきました。本当に感無量です。
ヒロイン・すばるのライバル・・・というよりほぼ「ダブルヒロイン」と言っていい、生駒翔子(高2)です。
長身、巨乳、完成されたプロポーション、絶世の美少女、栗毛のロングヘア、お嬢様(というよりは女王様)然とした気品と冷徹さをもつ顔立ち・・・すばるとは完全に対照的で、まさに対局にあるような、もうひとつのヒロインのステレオタイプです。
しかし一方で、負けず嫌いでけんかっ早く、情に厚くて涙もろい、どこか似通った二人の内面が、最初激しく敵対しつつも、やがてはそれが親近感に変わり、最高の友、そして最強のバディー(相棒)となってゆきます。
21世紀にやってきて、最初はすばるに負けたくない一心で始めた新体操も、その完璧主義と負けず嫌いの性格ゆえに、努力に努力を重ね、わずか数ヶ月ですばると肩を並べるほどの力を身につけます。しかも、新体操部の部長は彼女をこう評価します。
「彼女には『花』があるわ。背が高くて、スタイル抜群、顔も超美人だし、すごく見栄えがする。新体操ではものすごく有利よ。しかもいいところは、どんなキツい練習でもいつも笑顔でいること。あなたにもわかるでしょ、百の技より一つの笑顔…新体操はアピールのスポーツなんだから、彼女はまさに新体操をやるために生まれてきたような人ね」
鋼のような強さと、はかないほどのもろさを併せ待つ翔子は、まるで孤高の刀剣のよう。でもそこがとても魅力的で、すばる同様に本当に愛おしい女の子なのです。

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